今年の6月、私はようやく夫にその言葉を伝えることができました。
でも、そこに辿り着くまで本当に、長い長い時間がかかりました。
何年も、心の奥で叫び続けていた
もう何年も前から、離婚したくてたまらなかった。
人前では「理想の夫・父親」を完璧に演じる彼。
でも、家に帰り、扉が閉まった瞬間——彼は別人。
自分の思い通りにいかないと毎日のように、私と子どもたちに大声で暴言を浴びせる。
その声は、今でも耳に残っています。
なぜ、すぐに言えなかったのか
「離婚してほしい」——その一言が、どうしても出てこなかった。
理由はシンプルでした。
一人で子どもたちを育てられる自信がなかったから。
お金の面も、精神的な面も。
そして何より、離婚したら子どもたちに辛い思いをさせてしまうんじゃないか……そんな不安が、私を縛っていました。
だから、何年も我慢した。
でも、本当は自分が許せなかった
我慢している自分を、心の底から憎んでいた。
大嫌いな人と一緒にいる自分。
見るだけで吐き気がする相手から離れられない自分。
そんな自分と生きていくなんて——
こんな人生いらないとさえ思った。
頭を抱えて床にうずくまり、髪を強く引っ張りながら、
「誰か助けて」
と、心の中で何度も何度も叫び続けた。
誰にも、聞こえなかった
何年も、静かに、必死に叫び続けた。
でも、その声は誰にも届かなかった。
頭がおかしくなりそうだった。
もう死んだほうが楽なんじゃないか——
そう考えた瞬間、ふと両親の顔が浮かんだ。
私がこんなに苦しんでいることを知ったら、どんなに悲しむだろう。
そして、もし自分の息子や娘が同じように苦しんでいたら?
想像しただけで、胸が張り裂けそうになった。
——ダメだ。私だけは、絶対に自分を救わなきゃ。
気づいた。大事なこと
ずっと、誰かに助けてもらおうと思っていた。
でも違う。
私を救えるのは、私しかいない。
今振り返れば、あの暗闇の中を何年も彷徨っていたのは、自分で自分を守る勇気がなかったから。
「私から離れて」と、はっきり言えなかったから。
そんな人はいなくなっても、まったく困らないのに。
毎日のように暴言を吐く人を、私と子どもたちから引き離すことを、何年もためらってしまった。
自分に自信がなかったから。
「お前には何もできない」という彼の言葉を、信じてしまったから。
何か問題が起きるたび、なぜか自分のせいだと思い込んでしまったから。
でも、今はわかる
夫に嫌われることなんて、どうでもいい。
自分に嫌われることのほうが、何百倍も辛い。
自分を粗末に扱う自分を、これ以上許せない。
泣き疲れて、心がボロボロになった自分を、もうこれ以上傷つけたくない。
——私は、私を幸せにしてあげたい。
あなたも、もし今同じように苦しんでいるなら、
どうか自分を粗末にしないで下さい。
自分を嫌いにならないで下さい。
あなたを救えるのは、あなたしかいないから。


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